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「紬の里」を読みました。 [平和ネタ]

こんばんわ。

入院した病院の図書コーナーで「紬の里」という本を見つけました。

初めに「紬の里」の存在を知ったのは、今年の夏前で、
仕事で行った、小学校の図書室で、たまたま見つけて、

読んでみたいと思ったけど、そこで借りる訳にはいかず・・・[ふらふら]

で、諦めていたら、忘れてしまったのだけど、再会できました。


内容は?というと、
雪国(塩沢)に生きる女性(主人公)の恋とその苦悩を描いたモノで、

登場人物は、①主人公の女性は塩沢紬を織っている織り子さん。
36歳。夫とは死別している。

②相手の男性は、染織と織り物の研究家で美術大学の教師をしていて、
特に紬と絣の研究をしている人。妻とは別居している、40歳。

③芸者の置き屋の女主人。自らも芸者で働いている。
若いけど、その生い立ちは、ちょっと同情できる。

④本妻。家庭的でない性格に嫌気にがさされ、同意の上に別居するが、
妻は、元に戻りたいと思っている。

ってことで、1:3で話が進みます。男の気持ち的には1:2ですが、
体は、1:3です。そういう意味です。はい。


初めはウキウキと、心が躍るのだけど、
女性の情熱と、男のエゴイズムは、次第にかみ合わなくなります。

しかし、それぞれの側から光が当たるので、誰に感情が入る訳でもなく、

そして、直接的に問題が示されず、すべて惰性のなかで事が進んできぃぃ、
でも、その惰性の中には、孤独や一種の無情感もあり、むなしさだけが残るのです。

結婚しちゃえばいいじゃん!なんてことは、誰も思ってなくて、

主人公には、地元で何代も閉鎖的に生きてきた宿命というか、
地域性があって、意欲的な発展はないのです。そう、あくまで惰性。

最後も結局誰ともくっつきません。嫉妬しながら、男を待つのです。
それで終り。あースッキリしない[ちっ(怒った顔)]

よって、若者のピュアな恋愛とは違いましたので、
小学生がこんな本を読んで、分かるのか?って感じだし、

逆に言うと、読ませていいの?的な、そんな内容もありましたが、

小説の初めの方は、主人公たちの仕事の内容を説明するために、

雪晒しや、糸繰の事なども、結構詳しく書いてあったので、その辺りは
興味深く読みました。


好きなシーンは、男が能登のお土産に買った上布をプレゼントする所。

普通は「肌触りがいい」とか、「色が素敵」とかそんな話になりそうだけど、

「これは、地染めだ」とか、「花の模様が細かい」とか「何歳の人が織った」とか、
「藍の色がめずらしい」とか、マニアックだったことと、

主人公が、お土産のお礼に、自分で織った夏塩沢をプレゼントした所かな?


東京で、逢引した時に、「いつも紬しか着ないから」と言って、
銀座の呉服屋に小紋を買いに行ったのも、時代が出てて、よかったな。


主人公の女性の仕事の説明では、常陸の結城紬を
ライバル視している所が、多々見られたので、明日は、それを書きます。

またね。
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こっちゃん

入院したのですか?
お大事にしてください。
自分的には検査待ちでぼちぼちです。
by こっちゃん (2012-11-13 21:28) 

itomaki

こっちゃんさん、大事にしてますので、大丈夫です(笑)
こっちゃんさんも、原因を突き止めて、直して下さいね。
by itomaki (2012-11-13 21:39) 

pn

思わず失楽園になるのか?と思ったけど、そんなの小学校に置かないか(汗)。

おみやげの話、なんとなく共感できるな(笑)。
by pn (2012-11-13 21:51) 

ジャイコ

おかえりなさい♪
無事にすんで良かったです!
私は、あー、野麦峠って、どんな話だっけ?と思っていたところです(笑)
着物がらみは、なんか重い話が多いのは気のせいでしょうか!? 四姉妹の話も…
by ジャイコ (2012-11-13 22:43) 

くんちゃん

お体大丈夫ですか?
急に寒くなってきたので
無理はなさらず ゆっくり直してくださいね

by くんちゃん (2012-11-14 09:57) 

itomaki

pnさん、いつもありがとう。
お土産の所は、ほんわかしていて楽しい気持ちになりました(笑)
by itomaki (2012-11-14 19:01) 

itomaki

ジャイコさん、あー、野麦峠は、かわいそうで理不尽だから、読みたくないなあぁ。
四姉妹は、姉妹坂のことかな?今度読んでみようかな?重い話とは思っていませんでしたが・・・。
by itomaki (2012-11-14 19:04) 

itomaki

くんちゃんさん、コメントありがとうございます。
ご心配おかけしたくまですが、もう、大丈夫です。

ヘビさんの服は、持って帰ってきたの?(笑)
by itomaki (2012-11-14 19:06) 

madamM

こんばんは。私もしばらくブログ書いてなくて、itomakiちゃんの近況しりませんでしたが、お体いかがですか?これからまだまだ寒くなりますから大事にしてくださいね。
「紬の里」立原正秋ですね。私の両親がよく読んでて、舞台となった地を訪れたりしてました。その影響で、私も若いころ随分読みました。私の父は立原作品を「いい女といい男がランデヴーするんだよ~。」と笑いながら言ってました。着物や陶芸などをテーマにした作品が多いです。今の時代に合うかどうかは別として、他の作品も読んでみてください。
by madamM (2012-12-09 22:04) 

itomaki

madamさん、ご両親との素敵なコメントありがとうございます。
まさか、読んだことのある方がコメントをくれるとは思わなかったです。さすが!madamさん。
立原正秋、読みやすくて面白かったので、他の作品も読んでみたいです。
by itomaki (2012-12-11 22:40) 

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